No.109 (ドイツ統一) :
「ビスマルクの『アメとムチ』の国内政治とはどのようなものか?」
資本主義育成のために災害保険などの社会保険を整備したことは「アメ」で
あると言えるが、社会主義者鎮圧法で社会民主党を弾圧したことは「ムチ」
であった。また中央集権化のために、南ドイツのカトリック勢力を基盤とす
る中央党を弾圧(文化闘争という)しているが、ビスマルクにもカトリック
勢力にも敵である労働運動・社会主義運動が活発化してきたためにその「ム
チ」は緩められた。
<評価の観点>
関心・意欲・態度:
ビスマルクが、内政面で統一完成後のドイツをどのようにヨーロッパの強国
にしていったのかについて、大きな関心を持ちながら学習に臨んでいる。
思考・判断:
「より強力な敵」である社会主義勢力の台頭を押さえるために、それまで弾
圧してきた南ドイツのカトリック勢力の中央党と妥協(「敵の敵は友」)し
たことについて、的確に判断している。
資料活用の技能・表現:
現在の災害保険や老人保険の証書を見て、それらがビスマルクによる国家社
会主義的な社会保険制度を起源として発達したものであることを知り、ビス
マルクやドイツ帝国を身近に感じている。
知識・理解:
帝政支持者の増大やまだ幼い資本主義の育成を期した、「アメ」としての社
会保険制度と、台頭著しい社会主義勢力を弾圧するために制定した、「ムチ」
としての社会主義者鎮圧法などについて、基本的な知識を身につけている。